富士山雪訓(登頂ナシ) 
山岳ガイドグループ イエティ(遠藤晴行ガイド代表)に参加

馬返し 朝の八ヶ岳 甲斐駒が見えた 山頂方向
北岳・甲斐駒 ガスが駆け抜ける 中ノ茶屋 富士吉田駅から


1月12日
22:30 自宅発
22:51 白新線
23:35 ムーンライト越後発

1月13日
05:00 新宿駅着
05:10 中央本線ホーム待合室ボク一人
06:30 だんだん薄明るくなる。
07:27 八王子手前富士山がキレイに見える
09:10 河口湖駅着
09:30 河口湖駅発
09:40 中の茶屋着
09:55 中の茶屋発
10:57 馬返着
11:18 馬返発
12:00 二合目
12:18 三合目
12:30 三合目発
13:45 佐藤小屋着
14:15 訓練開始
16:20 訓練終了 片付け〜ロープワーク
18:00 食事
22:00 就寝

1月14日
05:00 起床
06:00 食事
07:50 行動開始
12:40 講習終了 コンテのセットのまま下る
13:20 佐藤小屋着
13:50 佐藤小屋発
14:19 三合目
14:42 馬返着
15:05 馬返発
15:43 中の茶屋着
16:26  富士吉田駅発

23:00 何だかんだで自宅着

登山学校で学ぶ目的
ボクの中には少しだけ、アルパイン志向がある。チョッとだけ困難性を求めたい方向性があるということである。冬山において困難なこと。
 それはいわゆる、雪山、とりわけ私達の住んでいる日本海側で冬期間に多いホワイアウトの中での山行。
つまり、ルートファイディング・地図読み、コンパスでの方向確立技術、標識の打ち方等のもの。これは私の所属会が長らく飯豊山域で活動していたため詳しい方がいらっしゃいますので、諸先輩方に教えを頂いているところです。
 もう一つの分野では、一般的に雪氷技術といわれる分野であり、最終的には冬壁という分野で、アルパインクライミング+アイスクライミング的要素のもの。といえると思います。

私は安全に、でも少しだけ厳しい条件で登山を楽しみたいと考えています。そのためには、安全確保のため系統的な学びの場を得たいと考えていました。プロガイドの講習を受けるという事は勿論、費用がかかります。でも、知ったかぶりで間違った事を行って事故をおこしてからでは遅いのです。
基本をしっかり学んでから、自分なりの応用をするべきだと思います。基本がなければ無謀な特攻野郎になってしまいます。
また、常識もドンドン変わっていきます。・・・8ノットの末端処理の不要(末端に充分な余裕がある場合)、ブーリンのリング荷重による結び目の解け等。昨日の常識は今日の非常識ということもありますので勉強は続ける必要があると思います。
登山は安全を保証する行為ではありません。自分の責任で安全を確保するものだと常々考えています。
従って、避けうる事故は自分自身で万難を排し避けるべきと思いますし、その努力は続けていくべきと思っています。



会社を終えて、忘れ物を買い足しに行き、20時頃帰。食事を採り風呂に入り、用具の確認をして自宅を後にする。今回は雪訓なのでロープによる擦れの傷みを考え、古い雨具をアウター代わりにした。500hpa・700hpaの天気図を見て想定の外気温は−15℃風が静穏であれば問題は無い。天気図からは強風は予想し難い予想天気図なので合羽で対応することにした。

新発田から白新線に乗り、新潟で乗り換え。夜行のムーンライト越後は案外込んでいる。新津を過ぎてしばらくは飲んでいた。その後、三条で目が覚めたが次は高崎、大宮で目覚めたが、電車は眠れるので安心だ。ある意味時間が有効に使える。(睡眠時間)

朝、5時に新宿駅着。中央本線のホームに行くが誰も居ない・・・当然か・・時間が経過して6:30ころ大分明るくなる。
特別急行 あずさに乗り大月へ。大月から富士急に乗り換えて集合場所の河口湖駅へ向かう。河口湖駅のホームから大きく富士山が見える。大気も澄んでいてとても美しい。
駅の改札口を出ると、登山者と思しき方が2名待っていて、同じ電車に乗っていた方2名をあわせて5名が集合。
講師は石関さんで、東京都内からの参加者が2名で千葉の方が1名と私。
自家用車で参加のTさんの車に乗せていただき山に向かう。

計画では、スバルラインで五合目まで行き、佐藤小屋となっていたが、1月8日頃に降った雪でスバルラインは一合目下までなので、馬返しからの登行かな?と思っていたら、馬返しも無理っぽいので、中の茶屋からのスタート。
正味約3時間・・・ロープと少々のガチャがあるので少々重い。

静かな樹林帯を登る。馬返しまでは本来、舗装道路だが溶けては凍ることの繰り返しで氷化しているため歩き難い。
馬返しからは登山道を進む。静かだ。でも、暑い。汗が流れる。
樹林帯は、視界も開けないでので退屈だ。飯豊とは異なり平均的な登りでこれも退屈なものだ。ガ〜ンと急登があり少しダルんで、また急登というメリハリがないのだが、まあ今回はそれが目的ではないので黙って登る。

佐藤小屋に着いて、余分な荷物を小屋に預け訓練に出る。
到着時間が遅いので小屋の近場で訓練を行う。但し、雪が多く硬い雪面が見当たらない。表層の柔らかい雪を除け硬い雪面を露出させて訓練を行う。
初日の内容は次のとおり。
@ 滑落停止(肩制動)
A 初期制動(3態 尻モチ・前のめり・背面)
B アイゼン無しの登下降、トラバース
C アイゼン着用での登下降、トラバース
以上で実地訓練を終了し、小屋に戻り食事ギリギリまでロープワーク

感想ro内容
@について、自分の形より、半身になるのが○。
A尻モチ以外は難しい。いずれにしても、初期制動でダメな場合にスムースに肩制動に移行できるように両足が下になるように。
Bフラットに足を置く、キックステップ、トラバースはブーツの角を上手に使うこと。
Cフラットに足を置く。フラットフッティングとフロントポイントを使った登下降。
ロープワークはエイトノットとインクノット&コンテニュアンスのセット

夕食は、鴨ナベ&おせち。 佐藤小屋の宿泊は、私達が5名、単独のオジさん、スコットランド人のカップル計8名
正月は飯豊に居たので正月らしいところが無かったので、何だか嬉しかった。
中の茶屋から歩いて来たので、ビールが旨い。食後、佐藤小屋のオヤジさんが、明日の朝メシはこのダシでウドンだよ〜。との事
そりゃ旨そうだ。

食後は、アルコールをチビチビ呑りながら、アルパインヌンチャクやら、ディージーチエーンの使用上の注意、用具の事等、講師の石関さんと皆さんで話をしたり注意をお聞きしたりした。夜、雪が舞ってきた。

グッスリ眠って5時に起床。ザックの中身を整理しているうちに朝メシの準備が整う。鴨ナベのダシにウドンに餅。ウドンは沢山あるから、足りなかったら言ってよ〜。お言葉に甘えて一玉追加。
食後、オヤジさんがミカンを出してくれた。甘くて美味しいミカンだけど、凍っていました。
冷たいのナンノ・・・・虫歯が割れそうだ。頭にヅンヅン来る。
コーヒーを飲んで少し寛いでからやおら準備にとりかかる。
準備をして訓練のために上を目指す。
天気は快晴。気温は−15度位。八ヶ岳がキレイだし、奥には大キレットが特徴的な姿を見せている。
少し登ると、甲斐駒が見えてきた。六合目を過ぎる頃、南アルプスがキレイに見える。晴天こそ、日本海側からのお上りさんには、最高のプレゼントだ。

雪が多く柔かい。六合目の上でようやく、丁度良い場所を見つける。かなりの硬さの斜面だ。ピッケルの石突があまり刺さらない。だから、雪面にピッケル、バイルを立てておくためには、ピックを雪面に刺しておく。
ただし、雪の深さはないのでスノーバーは叩いても半分以下。吹き溜まりはモワモワの雪で全く締まっていない。
二日目の講習内容は次のとおり。
@ピッケル(ブレード)で雪面をカッティングして足場の構築
A簡易確保(三態 肩がらみ、腰掛けての腰がらみ、雪面に背中を付けての肩がらみ)
B耐風姿勢
Cスタンディングアックスビレイ
D支点の構築(スノーバー)
E浅打ちでの支点構築
F確保技術(東京コンテ、大阪コンテ)

感想ro内容
@斜面での確保する場所になるので、良い足場を作ることが大切。
A肩がらみ<腰掛けての腰がらみ<雪面に背中を付けての肩がらみ・・の順で安定してくる。肩がらみはドンと衝撃が来た時バランスを崩しやすい。
B耐風姿勢が確保技術のベースにもなるので、素早くドッシリと決めたいものだ。
C胸を張って姿勢を維持すれば、ドンと衝撃が来ても体勢が崩れ難い。
Dスノーバーの設置。三態(打ち込み、埋め込み、打ち込み不足の場合のタイオフ)
E浅打ちしか出来ない場合の方法。バイル、ピッケル、スノーバーを使い流動分散での支点構築。ポイントはかなり足場を下に位置して水平以下の角度で引く事。
F難しい。東京コンテは咄嗟にループにピッケルを刺せるか?耐風姿勢を維持できるか?相当な練習が必要。大阪コンテは東京より止めやすいがセットに一手間いる。

総合的にこの場所でどの支点構築方法が良いのか、どの確保方法が適切かその場で危険性を予測して必要な方法を選択する判断力が求められる。とても奥が深いものだと感じました。
とにかく、東京コンテ・大阪コンテについては相当な練習が必要だと思います。

コンテでヤバければスタカットにましょう。中間支点をどうするか?・・・・トップを登る人の技量感覚の問題で人それぞれのようである。

講習を終えて、コンテのセッティングをしたままで佐藤小屋まで戻る。ザックの整理をして下山開始。
馬返しまで降りて、氷化した道路を思い出して、またアイゼンを付ける。
中の茶屋まで降りて車に乗せて頂き、富士吉田駅でTさんとお別れ。残る三人で電車で東京方面へ向かう。

私は東京駅まで行って新幹線に乗り新潟へ。
ビールを飲んでお弁当を食べて二日間を振り返る。明日、コンテのセットは一通り確認して忘れないように繰り返しやってみよう。そんな事を考えながら新幹線の時間を楽しんだ。

講師の石関さん、受講者の皆さんお世話になりました。
ありがとうございました。





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